インシリコ毒性スクリーニングに関するみんなの広場


 

          
 CBI学会に新たに設立されました「計算機毒性学(Computational Toxicology)」研究会は、日本で最初の計算毒性学研究会として、多くの方々の注目を浴びております。

 「計算毒性学」研究会では化合物毒性に関する様々な問題を、研究会に参加された多くの方々と一緒に討論、勉強、情報交換する場の提供を目指します。
 本研究にご興味のある方々は、研究分野、研究内容、業務内容、スキルレベル、その他の様々な違いがあっても特に問題がありません。「計算毒性学」はその特徴から、様々なバックグラウンドを有する方々に集っていただくことが重要です。少しでもご興味がありましたならば「計算毒性学」研究会に参加いただければと思います。
 研究会の活動内容や、詳細なスケジュール等はキックオフミーティング時および以降の会議や皆様からのご意見等を参考に、順次決定いたしまして「計算毒性学」研究会のネットワーク等に報告させていただきます。順次関連情報等は本ブログにても公表させていただきます。

 計算機毒性学研究会に参加ご希望の方は、以下の「計算毒性学研究会設立報告および参加のお願い」をご一読ください。本資料に書いてありますように、参加のご意向を連絡いただければ、手続きさせていただきます。

2014/11/21

お知らせ:インシリコデータが学会で展示ブースを設けます。 Notice: The In Silico Data will provide a booth at the JSAAE conference

 日本動物実験代替法学会 第27回大会が12月5,6,7と横浜国立大学で開催されます。 
 この大会にて株式会社 インシリコデータが出店展示を行ないますので、ご関心のあります方はご来場ください。 今回の出店はインシリコデータとして創業以来初の出店となります。 最初の出店となりますので、今回はインシリコデータの会社概要、保有技術および実績、他社との協力関係、さらには現在進めておりますCBI学会の下部組織として設立された「計算機毒性学(Computational Toxicology)」研究会に関する情報等を中心に展示する予定です。


 また、同時にポスター発表も行ないますので是非、活発なご討論をいただければと存じます。ポスタータイトルは以下となります。

P-41
「動物実験(LLNA)データのみから作成した皮膚感作性定性的構造毒性相関(QSTR)モデル」
〇佐藤一博、日下幸則、湯田浩太郎

 今回の発表は、データサンプリングの違いが化合物の皮膚感作性評価に関する影響についての報告となります。 データ解析においては解析目的に従ったサンプリングが重要で、これが達成できると、様々な要因解析を精度よく出来ることになります。今回はこのような解析への第一歩として、サンプリングの違いが毒性評価に及ぼす影響について討論します。

P-44
「動物実験代替法とインシリコ毒性予測の融合に関する研究(2):毒性予測に特化した二クラス分類手法の開発」
〇湯田 浩太郎
 今回の発表では、極めて予測が困難とされる化合物毒性評価を、より精度高く行なうために独自に開発されたKY法の開発状況について発表します。 KY法は二クラス分類が3種類、重回帰手法として3種類開発されており、全てが日本/USA/EUに出願され、現在その殆どが特許として認可されています。
 通常展開されている汎用的なデータ解析手法をそのまま化合物毒性評価に適用すると、実用可能なレベルでの精度を達成する事は極めて困難です。 また、創薬分野で展開されている様々なインシリコ手法の 直接的な適用は原理的に殆ど不可能なのが、化合物毒性評価を一層困難にしています。
 KY法はこのように毒性評価に特化してデザインされ、毒性評価の 問題点を克服しつつ実用的なレベルでの要求に答えることのできる手法として開発されました。

   ご関心のある方は、ポスター会場にてご討論やご質問いただければと存じます。


以上
文責:湯田 浩太郎

2014/11/15

10月27日に「計算毒性学」研究会の再開催が実施され、多くの方々に参加いただきました。

「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングが、10月27日(月)にCBI学会2014年大会のプレミーティングとして、船堀 (東京)で実施されました。

 当日は、事前登録および当日参加者を加えまして約70名という、会場が満席になるほど多くの方々に集まっていただきました。 本「計算毒性学」研究分野に関する皆様の関心の強さを改めて感じました。 

 ご講演いただく諸先生方も、お忙しいところ時間を割きまして、熱心に発表/討論いただきました。 改めまして御礼申し上げます。 なお、当日実施されましたプログラムがCBI学会大会のホームページに記載されておりますので、ご参照ください。

 引き続き、29日(水)はCBI学会大会のフォーカストセッションとして、第一回「計算毒性学」研究会が開催されました。こちらは、講演テーマを絞り、システム開発者によるADME研究およびシステム機能紹介と、インシリコ毒性スクリーニングを構成するDRYとWET研究の両輪のうちの一つであるコンビナトリアルケミストリーに関する講演を、インシリコ技術とコンビナトリアル技術の融合との観点で横浜薬科大学の高橋孝志先生に熱く語っていただきました。 なお、当日の講演プログラムもご参照ください。

 「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングが無事完了し、「計算毒性学」研究会が正式に発足いたしました。 今後は、より具体的な活動に移ってゆきます。 「計算毒性学」研究会に参加された研究者の方々の相互情報交流や、「計算毒性学」に関する基本知識や研究動向等を、研究会会員の皆様と一緒に学んでゆきたいと考えます。

 「計算毒性学」研究会に参加ご希望の方は以下のメールアドレスに参加の旨をご連絡ください。
contact@insilicodata.com

以上

文責:湯田 浩太郎

2014/08/09

緊急連絡です:キックオフミーティングが台風のため中止となりました:ASAP:Kick-off meeting was canceled because of the typhoon

緊急ご連絡:

台風のため、「CBI学会夏の合宿2014 in 道後/松山」が中止となりました。これに伴い、本日開催予定の「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングも中止となっております。
 今後の実施方針等が決まり次第アップさせていただきます。

 参加者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくご理解お願い致します。
 また、このような大変な状況下で、会の運営等をマネージメントいただきました松山大学の水間先生、および東京工業大学の小長谷先生、さらには関連スタッフの皆様に改めて御礼申し上げます。

以上

文責:湯田 浩太郎

2014/07/23

化学工業日報紙に「計算毒性学」研究会の記事が掲載されました:In Chemical Daily newspaper, the report of "computational toxicology" workshop was published

 化学工業日報紙(2014年7月17日付け、第6面)に、「計算毒性学」研究会の記事が掲載されました。


 記事では、日本初の「計算毒性学」研究会として紹介されています。是非ご参照ください。


 残念ですが、欧米と比較して日本における「計算毒性学」に関する取り組みは、一周どころか何周も周回遅れをしながら、現時点で何も対応できていないというのが現状です。この現状は、日本の学会に「計算毒性学」という言葉や項目が年会やJournal発表での分野リストにないことでもわかります。このために、「計算毒性学」関連研究発表は、関連する項目や言葉に関連付けて、無理に提出しているのが現状です。

 ちなみに、"computational toxicology"の単語と「計算毒性学」の単語をGoogleで検索すると以下のような結果となりました。
"computational toxicology" ----> 47,100  
 「計算毒性学」-------------------->     369

* 割合(日本/世界):369/47,100 = 0.78%
* 倍率(世界/日本):47,100/369 = 127.6倍

 この事実はWEB上で展開されている「計算毒性学」関連の情報絶対量が、世界(実質的には欧米)と比較して日本は1%にも満たないということがわかります。これは、日本国内における「計算毒性学」に対する取り組みが欧米と比較して極めて貧弱であることを、数値で示しています。
 昔と異なり、現在のようなネットワーク社会では、Googleのような世界に張り巡らされた情報網での検索ヒット数はそのまま現在社会のトレンドを反映していると言えるでしょう。是非とも日本のヒット件数を世界に負けないようにして、逆に最新情報を世界に発信できるようにしたいと考えます。

文責 湯田 浩太郎
7月23日

2014/07/01

八月にチェコスロバキアで開催されますWC9のPredictive Toxicologyにてポスター発表いたします。

 8月24日(日)-28(木)にチェコスロバキアのプラハにて開催される
9th World Congress on Alterna­tives and Animal Use in the Life Sciences (WC9)のsession II Predictive Toxicologyにて、
 湯田がポスター発表いたします。

 ポスタータイトルは ”Development of in silico (computational) toxicity screening methods” で、 内容はKY法のオーバービューと、毒性評価という難しい問題に対して適用された場合の適用事例等について発表します。
 化合物の毒性評価は、データ解析という観点一つからみても極めて対応困難な問題が多数存在します。 このような問題に対して、汎用的な問題解決用に展開/開発された従来手法をそのまま適用した場合、データ解析結果や予測等は満足な結果が得られません。 結果として、多くのWET研究者の期待に答えられず、最悪の場合はWET研究者からの信頼を得られない結果となります。

 KY法は化合物毒性評価にて起用されることを目指して開発された、全く新規の考えに基づくデータ解析手法:詳しく言えばデータ解析手順、です。 従来手法を用いて、KY法の手順に従ってデータ解析を行なうと、従来手法をそのまま用いた時では達成できない様々の特徴を有するようになります。 例えば、二クラス分類ではサンプル数がどんなに増えても常に完全分類が達成されます。これ自体従来手法の範疇で考えた場合、驚異的なことです。 また、重回帰手法では従来手法の重回帰と比較してKY法を取り入れた重回帰は極めて高い相関係数や決定係数を実現する事が可能となります。

 WC9では、上記のような様々な特徴を有するKY法のレビューと毒性評価への展開例を説明し、KY法が世界を舞台に展開されるように世界の研究者に訴えてきます。

以上

2014-7-1
文責:湯田 浩太郎

2014/04/19

CBI学会 夏の合宿セミナーについてのご連絡(2);CBI学会のホームページに掲載されました

 第354回CBI学会研究講演会:「CBI学会夏の合宿2014 in道後/松山」のアナウンスが正式にCBI学会のホームページに掲載されましたので報告いたします。
 本研究講演会は初日に松山大学にてCBI学会の研究講演会が実施されます。 その後道後温泉に会場を移しまして懇親会を行ないます。 次の日の午前に「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングが開催されます。
 研究講演会の内容やより詳細はCBI学会のホームページに随時掲載されますので、引き続きチエックお願いいたします。 キックオフミーティングでは、本研究分野に興味を持つ多くの方々の参加をお待ちいたします。 キックオフですので、皆様の忌憚なきご意見や、お考え、ご希望等をいただきながら、様々な討論を行ない、今後の活動の指針や糧となればと考えております。

2014/04/08

CBI学会 夏の合宿セミナーについてのご連絡(1);参加費等が決まりました

 先に報告いたしました、CBI学会 夏の合宿セミナー (8月8日(金)-9日(土)の一泊二日、愛媛県道後温泉) の参加費用が、以下の内容にて決まりましたので、ご報告します。

 CBI学会員が15,000円で、非学会員は23,000円となります。
 また、学生はCBI学生会員10,000円で、学生非会員は11,000円です。
 より詳細な情報はCBI学会のホームページをご参照ください。 なお、本セミナー関連リンク先を作成中ですので、もう少しお待ちください。
 
 初日のCBI学会月例講演会の内容や、二日目の「計算毒性学」キックオフミーティングの詳細も決まり次第、本ブログにアップさせていただきます。 また、二日目のキックオフミーティングでは、「計算毒性学」に関する皆様のご質問やご意見、考えや期待等を発表いただけるチャンスですので、積極的な参加をお願いいたします。
 
以上
 
文責:湯田 浩太郎
 

2014/04/04

「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会のキックオフミーティングに関するご連絡:Kick-off meeting of "Computational Toxicology" workshop will be held at Dogo Onsen in Ehime Prefecture on August 8-9.

 「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会のキックオフミーティングが、8月8日と9日に開催されるCBI学会夏の合宿研究講演会において開催されます。 初日は、CBI学会の研究講演会が企画されており、「計算毒性学」のキックオフミーティングは二日目の午前中に開催予定です。

 今回は「計算毒性学」研究会への参加に加えまして、CBI学会が活動する代表的な研究分野の研究講演が聴け、演者の諸先生方との親交を深めることが出来るまたとないチャンスです。 「計算毒性学」にご興味のある方々の参加をお待ちいたします。 本講演会、および「計算毒性学」キックオフミーティングの内容詳細が決まりましたならば改めてアップさせていただきます。

 なお、本ミーティングでは、参加される方々のプレゼンテーションを募集いたしております。 10-15分程度の時間でPPTを用いて発表いただきます。 発表内容は研究成果発表というよりは、「計算毒性学」への期待や質問、および会員同士の情報交換を目的とするものとなります。 気軽に参加/発表いただきたく存じます。

文責:湯田 浩太郎

2014.4.4

2014/03/20

CBI学会にて、「計算毒性学」研究会の設立が承認されました:The CBI society recognized establishment of the "computational toxicology" workshop.

 先日、CBI学会の執行部会において、「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の設立が承認されました事を報告いたします。

 これにより、学会の承認を得て「計算毒性学」を標榜しつつ活動する国内初の研究グループが結成されました。 今後は「計算毒性学」に興味を持つ多くの方々の支援を受けながら、日本に「計算毒性学」という新しい学問分野を築き上げてゆく段階に突入することになります。

 この研究会の特性上、「毒性」という言葉に関係する多くの方々に参加いただきたく考えます。 医農薬関連研究者の方々、様々な機能性および一般化合物の開発や製品評価に関連する研究者の方々、環境関連の生態毒性関連研究に携われている研究者の方々、動物愛護の観点から動物実験をせずにin vitroやインシリコで実験される化粧品関連の研究者の方々、バイオ関連で遺伝子情報と毒性との関係を研究されている方々、さらには化合物関連の規制関連当局に関与される方々と、多くの研究者に参加いただければと存じます。

 名称は「計算毒性学」ですが、この研究分野は一つの研究領域だけで構成されるものではなく、様々な研究内容や領域が交雑する典型的な境界領域研究です。 従いまして、コンピュータや毒性関連研究者のみならず、関連する様々な研究領域の方々の参加をお待ちいたします。 例えば、化学とコンピュータを結ぶ計算機化学(Computer Chemistry)や計算化学(Computational Chemistry)、毒性試験に関する様々なデータを扱うデータ解析、新規のin vitro実験開発を目指す研究、最新のhiPSC(人iPS細胞)を用いて実験をされている研究者の方々、遺伝子と毒性の関係を追及するトキシコゲノミクス、環境関連のハザードや評価関連の研究、さらにはアレルギーや副作用等の治療に従事される研究者の方々等です。 「毒性」に関連する領域は極めて広く、このように様々な研究バックグラウンドを持つ方々が忌憚なく意見交換が出来ることが、極めて重要と考えております。

 上記に書きましたように、様々な研究分野の研究者が集えて、相互に情報を交わし、討論が出来、わからないことや質問等を気軽にかわすことの出来る雰囲気を持った研究グループの構築を目指して頑張ります。

以上

文責:湯田 浩太郎

2014/02/25

CBI学会にて、「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の立ち上げ提案を行ないました。

 2月24日(月)のCBI研究会におきまして、時間をいただき「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の立ち上げに関するアナウンスをさせていただきました。

 
  昨今、化合物毒性に関する関心が急速に高まり、様々な理由からWETの実験だけで済んでいた昔と異なり、インシリコ(計算機)によるDRY実験に基づいた化合物毒性評価の重要性が増大しております。
  医/農薬における副作用や毒性の無い薬物開発、一般生活環境中で使われる様々な機能性化合物の安全性や化合物規制の強化、環境毒性に関する化合物規制の強化、さらには動物愛護に基づいた化粧品関連開発での実験動物使用の禁止等により、インシリコ(コンピュータ)による毒性評価の重要性が高まってきています。 また、化合物規制当局の指針書にもインシリコ(コンピュータ)による毒性予測の取り込み等が推奨されるようになり、徐々に実験データ中心から、ドライ実験データも盛り込む等の流れが出てきています。

 上記変化から今後重要になると思われる、インシリコ(コンピュータ)による化合物毒性評価での基本技術が「計算毒性学(Computational Toxicology)」です。

  残念ながら、日本においては「計算毒性学(Computational Toxicology)」を学ぶ、あるいは活動する場が殆どありません。 
  一方で、化合物の安全性(毒性)が関与する分野は急速に広がり、またその重要性も急激に増大しております。 このように化合物毒性に関する社会的な要求が拡大しているなかで、現在の日本における「計算毒性学(Computational Toxicology)」に関する現状では、日本は世界の動きに取り残され、研究基盤も人材も育たない状況になるかと思います。

 「計算機性学(Computational Toxicology)」を実施するには、安全性(毒性)関連研究者とコンピュータ関連研究者の連携が必要です。 また、安全性(毒性)という観点より、研究者のみならず生産の現場や販売関連の方々も一緒に集い、情報交換できることが重要となります。

 今回の提案は、CBI学会の研究会の一つとして「計算毒性学(Computational Toxicology)」を立ち上げ、この研究会を足場に研究分野や仕事の内容の異なる方々が集い、「計算毒性学(Computational Toxicology)」を学び、関連研究分野との連携や展開を議論できる場にしたいと考えます。

  以下に、「計算毒性学(Computational Toxicology)」設立趣意書をアップさせていただきます。本件に関しましてご興味のある方は、趣意書内のメールアドレスにメールいただければ、本「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の設立にご賛同いただいたものとして、登録させていただきます。

 「計算毒性学(Computational Toxicology)」設立趣意書




2014.2.25
文責:湯田 浩太郎

2014/02/23

  インシリコデータが管理しておりましたインシリコスクリーニングブログは、ブログの名称を「楽しくて、失敗が無く、良く理解できるインシリコ毒性スクリーニング学習塾」とし、研究分野を超え、研究者や製造/販売等の多くの方々が気楽に参加でき、情報交換できる場を提供する新たなブログとして出発いたします。 

  先のブログにおいて記述していました内容は新ブログにおいても役に立つ内容なので、参考情報として残します。 ご参照ください。


旧ブログ案内文:   本ブログではタイトルにも書きましたように、化学多変量解析/パターン認識(ケモメトリックス)による仮想(インシリコ)ADME/Tスクリーニングに関する情報をアップ致します。主たる議論や大まかな情報は(株)インシリコデータのホームページに掲載されています。従いまして、このブログではインシリコデータのホームページで扱うことが難しい、細かな内容を主として扱う予定です。
  現在の薬理活性をターゲットとするインシリコスクリーニングはドッキングを基本技術として展開されています。従って、その基本原理から薬理活性以外の特性をターゲットにしたインシリコスクリーニングは実施できません。本ブログで議論する仮想(インシリコ)ADME/Tスクリーニングの基本技術は化学多変量解析/パターン認識(ケモメトリックス)です。従いまして、その適用範囲は薬理活性はもちろんのこと、ADME、毒性(安全性)、物性等のスクリーニングも実施可能です。これにより、インシリコスクリーニングの基本が大きく変化し、拡大します。また、動物実験代替法としての適用や、化合物安全性規制等に対応したインシリコスクリーニング等への適用も期待されております。
  多くの異なる分野の基礎知識を必要とする学際研究分野ですが、この基本技術をマスターすればさらなる応用が可能です。一例として機器スペクトル解析、法化学/法医学への展開、バイオ関連分野への展開等様々な分野への展開が実際に行われております。このブログを通じて、様々な研究分野で利用が出来、時代の変化に耐える研究技術の構築の一助になれば幸いです。